~静岡県 小林さんより~


私がヘルパーの仕事を始めたきっかけは、偶然図書館で手にした本との出会いです。


マザーテレサの伝記を読み、その生き方に感銘とあこがれを持ち、自分も人助けができる仕事がしたいと思い、何があるだろうと探しました。


 それまでは、パソコンに向かって一日過ごす仕事だったので、自分にしかできない手応えを求めていたのかもしれません。


 当時は介護保険制度が始まる前だったので、訪問介護の存在すら全く知らなかったのですが、求人広告のパート募集があり、知っている人が所長をしていると知り、直ぐに面接を受けました。


 仕事初日の驚きは今でも忘れません。


 私より10歳近く年下の先輩ヘルパーが、手際よく排泄介助や入浴介助、少ない食材を使って2品もおかずを作ったりと、あっという間に9時から15時までの間に5件ほどを一緒に回りました。


何よりも訪問先の利用者さんが心待ちにしていて、信頼関係と絆の深さを感じ「この仕事がしたかった!」とまさに手応えを感じた瞬間でした。


気がつけば、あれから20年近くが経っています。


勿論、辞めようと思ったことは何度もありました。でも、そんな時にいつも利用者さんの一言や感謝の言葉に助けられ、励まされてここまで続けることができました。


応援してくれる家族の協力も有難かったです。


訪問先の利用者さんに最後にいつも「ありがとう。」と言っていただき、「こちらこそ、有難うございました。」と感謝の言葉の花束を渡し合える、こんなに有り難い仕事はほかにありません。


家族の介護にも大変役に立ちました。本当にヘルパーの仕事を選んで良かったと痛感しています。


先日、90歳で一人暮らしをされている方が、「こうしてヘルパーさんが来てくれて、本当に有り難い。今まで生きてきて今が一番幸せだよ。」とおっしゃって下さり、暮らしに寄り添う良いケアを、ヘルパーみんながしてくれていると評価されたことに、本当に嬉しい気持ちになりました。 

 

これからも、自分の健康管理にも気を付けながら、『訪問介護』という素晴らしい仕事を頑張っていきたいと思います。